SPOTの声優業界用語集 業界用語No.04
カテゴリ: 業界用語
「が、ぎ、ぐ、げ、ご」のガ行の音を「んが、んぎ、んぐ、んげ、んご」というふうに、やや鼻にかかったガ行の音として発音する事。
使いこなせるようになると日本語がきれいに聞こえるようになるよ。アクセント辞典では濁点部分が「°」と表記されている部分のこと。
鼻濁音について詳しく解説いたします。
カ行の濁音(ガ行音)が口腔を使って発音されるのとは異なり、鼻腔を使って作られる音のこと。
鼻にかかったガ行音のことで、風邪を引いた時の鼻声をイメージしたら分かりやすいでしょう。
「゛」で濁音を表し、「゜」で鼻濁音を表します。
アクセント辞典では鼻濁音を「カ゚キ゚ク゚ケ゚コ゚」と表記しています。
「鼻濁音」や「母音の無声化」は、日本語をきれいに話すのに必要不可欠な技術と言われています。テレビのニュースなどで気を付けて聴いてみよう。
1.「ガ」の前に「ン」を入れて声に出してみましょう。「ンガ「ンギ」「ング」「ンゲ」「ンゴ」のように発声しよう。
2.徐々に「ン」の音を短くしていき、「ン」を入れない状態でも鼻濁音が出来るように練習しよう。
※鼻濁音が出来ない人は、日頃から鼻濁音を使ってみるなど意識して話してみることが重要!
語中・語尾のガ行音 | 演劇(エンケ゚キ)潜る(モク゚ル)音楽(オンカ゚ク) |
格助詞と接続助詞のガ行音 | 私が(ワタシカ゚)あなたが(アナタカ゚)しましたが(シマシタカ゚) |
数詞「五」で、熟語として慣れ親しんでいる言葉や人名 | 十五夜(ジューコ゚ヤ)七五三(シチコ゚サン)七五調(シチコ゚チョー)小五郎(ココ゚ロー) |
外来語で、日本語化した言葉の語中・語尾や「ン」の後のガ行音 | イギリス(イキ゚リス)ポルトガル(ポルトカ゚ル)オルガン(オルカ゚ン)キング(キンク゚) |
連濁によって生じたガ行音 | かき氷(カキ+コーリ)⇒(カキコ゚ーリ) 小切手(コ+キッテ)⇒(コキ゚ッテ) |
元々「濁音」で発音されていたものが複合語の下接語になった場合は、鼻濁音化されないことが多いです。
〈例〉
観光学部(カンコー+ガクブ)⇒カンコーガクブ
参議院議員(サンキ゚イン+ギイン)⇒サンキ゚インギイン
複合語として熟している言葉は鼻濁音で発音します。
元々が濁音の語の場合は、その語が複合語としてどれだけ熟しているかによって鼻濁音化されるか異なってきます。
〈例〉
小学校(ショー+ガッコー)⇒ショーカ゚ッコー
文学部(ブン+ガクブ)⇒ブンカ゚クブ
迷った場合はアクセント辞典を引きましょう。アクセント辞典にその語が載っていなければ、その語は複合語として熟していないものなので、濁音で発音となります。
鼻濁音では発音されないパターン
語頭にあるガ行音 | 学校(ガッコー)議論(ギロン)具合(グアイ)芸術(ゲイジュツ) |
数詞の「五」は原則鼻濁音化しない | 五十五(ゴジューゴ)十五人(ジューゴニン)五歳(ゴサイ)五十メートル(ゴジューメートル) |
外来語は、語中・語尾に関わらず原則鼻濁音化しない | プログラム・キログラム・窓ガラス・消しゴム |
接頭語等に続く言葉のガ行音 | お元気(オゲンキ)ごはん(ゴハン)非現実的(ヒゲンジツテキ)不合理(フゴーリ) |
擬声語・擬態語・同じ言葉の繰り返しで語頭がガ行のもの | ガサガサ・ぐずぐず・げらげら 注:もぐもぐ(モク゚モク゚) |
参考ページ
NHKアクセント辞典 “新辞典”への大改訂 ⑩
「鼻濁音の位置づけと現況」メディア研究部 塩田雄大/東 美奈子
〈例〉
ガッコー(学校)
ギモン(疑問)
ゲンコー(原稿)
ゴジツ(後日)
〈例〉ワタシカ゚(私が)
「が」を前置詞として用いる場合でも〔カ゚〕と発音します。
〈例〉ソーデスカ゚(そうですが)
しかし例外として「ケ」が濁る場合は〔カ゚〕と発音します。
〈例〉茅ケ崎
〈例〉
カキ゚(鍵)
ウク゚イス(鶯)
エンケ゚ー(演芸)
ゴコ゚(午後)
ショーカ゚ッコー(小学校)
チューカ゚ッコー(中学校)
〈例〉
ハルカ゚スミ(春霞)
ウバク゚ルマ(乳母車)
ユキケ゚シキ(雪景色)
ハシラコ゚ヨミ(柱暦)
〈例〉
ゴマン・ゴセン・ゴヒャク・ゴジュー・ゴエン(五万 五千 五百 五十 五円)
ジュー・ゴ センチ(十五センチ)
ニジュー・ゴネン(二十五年)
ただ、概数として「四五」という場合は次の通り発音する場合もあります。
〈例〉
ジューシコ゚(十四五)
シコ゚サイ(四五歳)
シコ゚二チ(四五日)
また、九九の呼声は次の通り発音します。
〈例〉
一五(インコ ゚)が(カ゚)五(ゴ)
二五(二コ ゚)十(ジュー)
三五(サンコ ゚)十五(ジューゴ)
四五(シコ ゚)二十(ニジュー)
五五(ゴコ ゚)二十五(ニジューゴ)
六五(ロクコ ゚)三十(サンジュー)
七五(シチコ ゚)三十五(サンジューゴ)
八五(ハチコ ゚)四十(シジュー)
九五(クコ ゚)四十五(シジューゴ)
名詞として用いられる「十五夜」「七五三」等は次の通り発音します。
ジューコ゚ヤ(十五夜)
シチコ゚サン(七五三)
副詞として用いられる「三三五五」は次の通り発音します。
サンサン・ゴコ゚(三三五五)
人名の「五」は次の通り(つまり語頭・単語間における原則の通り)に発音します。
〈例〉
ゴロー(五郎)
キクコ゚ロー(菊五郎)
源五郎鮒(ゲンコ゚ローブナ)等もこれに準じます。
〈例〉ガンガン ギシギシ グングン ゲラゲラ ゴンゴン ガランガラン ゴロンゴロン
漢語の擬声語・形容語でも同じです。
〈例〉
ゴーゴー(轟轟)
ガイガイ(皚皚)
〈例〉
峨峨たる(ガガタル/ガカ゚タル)
巍巍として(ギギトシテ/ギキ゚トシテ)
次の語にも二つの発音があります。
下下の下策(ゲゲノゲサク/ゲケ゚ノゲサク)
〈例〉
オンカ゚ク・ガッコー(音楽学校)
ローア・ガッコー(聾啞学校)
(一)ガイコク・ゴカ゚ッコー
(二)ガイコクコ゚・ガッコー
【参考】意味の上でみれば(二)の方が正しいと思われますが、発音上では(一)の方が自然的な発音と認められます。
なお、略称の「外語」は「ガイコ゚」で、これは法則3の例に入ります。
〈その他の例〉
交響楽団 コーキョー・ガクダン/コーキョーカ゚ク・ダン
衆議院 シューギイン/シューキ゚イン
〈例〉
オモテ・ゲンカン(表玄関)
ウラ・ゲンカン(裏玄関)
モト・ゴユ(本御油)
〈例〉新学期(シンカ゚ッキ:第3則) (シン・ガッキ:第10則)
〈例〉ココニ ゴザイマス
〈例〉アナタカ゚タ(貴方がた) ニホンバシキ゚ワ(日本橋際)
「…川」の「川」は「カ゚ワ」と発音します。
〈例〉スミダカ゚ワ(隅田川) エドカ゚ワ(江戸川) テンリューカ゚ワ(天龍川)
〈例〉ツキ゚ノコ゚トクケッテーイタシマシタ。 (次の如く決定いたしました。)
〈例〉イキ゚リス ポルトカ゚ル オルカ゚ン キンク゚ / エレベーター・ガール
〈例〉
(一)ケロッグ条約 ダグラス ラグビー
(二)キンク゚ ヒンデンブルク゚
(三)シガー ~シカ゚ー
注意:
地方的には、一切〔カ゚〕行音のないところ(例えば九州・高知・愛媛・香川・山口・島根・新潟・群馬あたりなど)と、
語頭にも〔カ゚〕行音のあるところ(例えば青森・徳島その他)とがありますが、このページでは全国中継アナウンス用語
(「放送用語の調査に関する一般方針」総則二・三参照)における発音法則を記述したものです。
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